背中を預けるには
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背中を預けるには

小綱実波/一夜人見

これでデビュー作?

ネタバレ
2021年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定や美しい表紙に惹かれて購入。
中世ヨーロッパっぽい雰囲気の美しい第二王子(成長後は王弟)のグラヴィス×前世では平民ながらグラヴィスの親友であり想い人だった逞しい騎士のイオニア、転生後は王家に並ぶ貴族の四男で天使のように美しく身体の弱いレオニーノ。
1巻は現在と過去を行き来するのでなかなか話の全体像が見えず、ややもだもだ感もあり、中盤にイオニアの悲恋とレオニーノの困難な日々が続くので半ば過ぎ位までは読むのがちょっとしんどかったけど、後半は物語がどう動いていくのかを想像してわくわく。
2巻以降も胸が痛いショッキングな出来事もありましたが、読む手を止められませんでした。
1冊のボリュームがあるのでお値段も高いけど読み応えがあります。
特殊設定もので登場人物も多いのである程度長編のファンタジー小説とかも読み慣れた方向けだと思います。
BLだしエロいシーンもあるけど(大人になったグラヴィスがだいぶエロい!)所謂転生モノのラノベというより、シリアスなファンタジー小説の雰囲気です。
個人的には若かりし頃のイオニアとルーカスの選択は好きじゃない。
身分差もあり同性だとしても心の底から想いあっているグラディスとイオニアが結ばれるべきだと思っていたので、何度もハラハラしたけどハピエンで良かった。
朝焼け色の瞳と夜の星空の様な瞳を持つ2人には運命的なものを感じます。
前半あまりにも世間知らずですぐに心が折れるレオニーノにイライラしたり時折幼い言葉遣いや子供っぽさが気になりましたがピュアで天然な言動が可愛らしい。
儚げな身体で強い心を持ち、見た目だけではなく内面も天使の様。
あとがきでも語られている様に色々な立場や人物との光と影の対比が素晴らしい。
これでデビュー作なんですね。文章も上手いし伏線回収も見事です。
タイトルも絶妙!やっと幸せになれた2人の明るい未来を信じられるラストがとても良かった。
【追記】
3巻まで読んでから「なろう」に書かれていた分を少しずつ読んでいたのですが…
諸事情により、掲載取り下げられたようで残念です。
番外編に少し触りの載っているヨセフ達のお話はまだ残してありました。
そちらも刊行予定?の様です。
あまり三角関係は好きではないのですが…気になるから多分読んじゃうんだろうな。
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