遥か遠き家
」のレビュー

遥か遠き家

八田てき

やり場のない悲しさ

ネタバレ
2021年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「空が青いから白をえらんだのです」という詩集を思い出しました。少年刑務所に服役する受刑者達の詩で、母親の愛情や温もりを求める作品が多く見られました。この「遥か遠き家」の作中でも、お母さんに優しく頭を撫でてもらいたい・抱きしめたれたいだけなのに…という、ただお母さんに愛されたかった淋しさが彼らの罪を産んでしまったと思いました。寂しさは時に、生きる道を閉ざしてしまう。これはBL枠の物語ですが、現実問題からそんなに遠い話では無いと思います。親の愛を受けて育つ、人の温かさに守られる、そんな家庭で溢れたら、来世に急がず今生きている道を切り開いて生きていけたかもしれない。
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