怪獣になったゲイ
」のレビュー

怪獣になったゲイ

ミナモトカズキ

怪獣とは、、

ネタバレ
2021年11月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品内容の「自分で自分が嫌いな人、好きな人、好きでも嫌いでもない人、全ての人に読んでほしい。」に導かれ、手にした御本。

主人公の男の子が、あるキッカケで今の自分ではなく別の何かになりたいという強い衝動で怪獣に変身してしまうのだが、その心情が現実的であり重く苦しい。

「見ないフリをするような大人じゃない、本当に見えていない大人ですもんね。」

「絶望する顔を見て妙な快感を覚える感覚。」

「誰かを傷つけて笑っていられるのが強さだって言うなら、強くなんてなりたくない。」

どれも胸にドシンと覆いかぶさってくるような重みのある言葉。

タイトルと内容共にセクシャリティの問題を交えてのストーリーですが、子供も大人も男性も女性も関係なく考えさせられるお話。

私自身、無関心の振りをする事で、心と身体のバランスをはかり保身にまわる傾向があり、自分が傷つかない為に無意識に誰かを傷つけていたかもしれません。
無意識の言動が、とても厄介で罪深いと理解はしていても、どうすればいいのか、変われるのか、とても難しい。

作者さまが仰っていた、「変わることができた人、変わることができなかった人、変わる必要なんてなかった人、、みんなの人生はこれからも続いていきます。」
と言うお言葉に私自身も励まされました。
一度立ち止まり、振り返って考えるチャンスを頂き、ありがとうございます。
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