このレビューはネタバレを含みます▼
                                                            ある日突然 世界ランキング2位のテニスプレイヤー天久保(28才)が深月(30才)のところに1万本の薔薇と百億円の小切手を持って高校時代の約束どおり「俺のものになって」とやってきてというお話でした。久保は日本中探しても数人いるかどうかのスーパーアルファで深月は人口の0.5%のオメガの1%にも満たないナチュラルオメガ(優秀なアルファの子供を産む確率が高い希少な性)で、普通は3ヶ月に1度の発情期がひと月に1度、これは日本で深月しかいないとか設定が盛り盛りなのですが、普通じゃないのを強調しすぎてちょっと萎えました。あんこだけは妥協したくないという深月が日本中のあんこを吟味した結果 京都の専門店から取り寄せているって、小豆から炊かんのかーい!なんかなーチカラ入れるところが違っているというか、設定はあんまりドラマチックにしないで日常の生き方みたいなところを深掘りしていただきたかったです。懸念されていた問題もチートみたいな設定で解決して色々ツライこともあったのにあっさりしたシンデレラストーリーになってしまったようで惜しい感じがしました。
2020年3月 総305ページ 挿し絵あり