ベイカーベイカーパラドクス
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ベイカーベイカーパラドクス

暮田マキネ

にーにのパンツが可愛いですね

ネタバレ
2021年12月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★少しおバカな兄・ユキとしっかり者で兄に執着する弟・臣の実兄弟ストーリー。

★「また振られちゃったんだ、慰める?」「うん」十亀家のルールを遂行する弟と兄。「慰まった?」「慰まったー」唇と唇を離した臣とユキは、ルールの効果を確かめ合う…。

★ルールを作って、嘘を重ねて、自分のことを「思い上がり」と責めて、本当に不憫な臣…16歳の臣なりに頑張ってきたのに泣かないでー、と思ってしまいます。兄弟モノですが、2人暮らしで、親に対する罪悪感や背徳感が薄く、ユキもそういう感覚は閉じ込めてしまっていますから、兄弟モノの中でも読みやすいです。どちらかと言うと、お互いの気持ちとタイミングのズレが苦しいですね。ヤマの口から語られるユキの強かさも切ないな、と思います。ただ、その強かさが、“臣のため”から“お互いの1番でいるため”に変わるのがとても良いです。ラストのネクタイを外すところで、「あ、やっぱり…」と予感させてからの『シュレーディンガーの日常』への繋がりが素晴らしくて、とても好きです。「俺」と「僕」の重なりに心臓がドキンとしました。臣とユキも好きですが、脇キャラで終わるのはもったいないくらいヤマかカッコいいんですよね。ヤマとれなちゃんの話も読みたいな。BLにおいて、女子も魅力的に描いてくれるのは、後味良く嬉しい限りです。

★同人誌(本編パイロット版)、限定描き下ろし含めて249ページ。ストーリーのファンでもあり、可愛いのに濡れたような艶っぽさがある絵も好みです。ちゅーちゅーする唇とされる乳首が、とても好きです。ちび臣とデフォユキの「むんっ」にもやられてしまいました笑。

★「にーにがバカすぎて無理」と思う方が結構いらっしゃるとのことで、それは感覚として仕方がないことかな、と思いますが、ユキのことを「バカでよかった」と思う臣含めて、人の内面を深く味わうことができる作品だな、と思います。
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