このレビューはネタバレを含みます▼
フォローさせていただいている方のレビューやその他の方々のレビューを拝見して、非常に気になり、まとめ買いして少しずつ読んでいましたが、やっと読み終えました。5巻の途中まで何気ないほのぼのした日常で進んでいきます。しかし、その中でも、普段、人間が特に日本人が当たり前にしていることなどを雷遊が疑問に思って聞いてきたりしている場面に「ハッ」とさせられます。雷遊の純粋さに心打たれます。5巻の後半の「忘れる」が当たり前になった時・・・オオムラのセリフもいいし、最後の方の「ここにオオムラが眠っているなんて・・・」あたりから自然に涙がこぼれます。ラストの雷遊が桜の木がなくなるまでそばにいる所なんて・・・。(若くて元気なうちは)どこまでも続いていくように思える日常、でも終わりが必ずあって。登場人物が人間同士ではなく、永遠に生きる神(雷遊)と必ず老いて死ぬ人間(オオムラ)だからこそ、より「生」が際立って切なさを増しています。最後まで読んでもう一度、読み返したくなる作品です。