櫻狩り
」のレビュー

櫻狩り

渡瀬悠宇

小説を読んだかのような読み応え

2021年12月26日
小学館クーポンがなかったら出会えていなかったかもしれない。
舞台は大正の華族。
もうこれだけで耽美であろうと察しますよね。←大好き(笑)
全くもって耽美。
谷崎、三島を彷彿させるような執着と純愛とエロティズムを覗かせた作品でした。
執着と純愛はニコイチですからね、逃げたくても逃げられませんよ。もう絡め取られていますから。←最高(笑)

1巻239頁、2巻247頁、3巻267頁と、とっても分量が多くて読み応えがあるんですが起承転結があって中弛みも無く夜中に集中して読んでしまいました。
痛い、怖い、苦しい、切ないがループのように起こります。
主人公の華族さまがそれはそれは1人では背負いきれないような執着の中で屍のように生きているのです。
もう1人の主人公は平民でこちらも心の底に真っ暗なぽっかり空いた穴を抱えてそれでも前を向いて生きようとしている。
2人が痛々しい。
行為は拗らせてもひたすらに愛を求めて真っ直ぐである2人が痛々しいです。
他の登場人物もそれぞれの愛を持て余してこじらせまくります。

エンディングは奥歯をかみ締めてしまいました。
終わらせ方としては最良なのだと分かっていてもこれだけ気持ちを持っていかれたあとでは悔しくてたまりません。
今は頭と目が悲鳴をあげているのでしばらく読み返さないかもしれませんが(あーでも3巻はすぐにでも読みたいかも)またじっくり浸りたいです。
また、別の事が読み取れるのかもしれない。

あーエンディング、悔しい(> <)!
こうして私の中で執着が引き継がれていくのかー!
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