深く引きずり込まれる名作





暴力的だけれど幼いような求めるような須藤と新谷の関係。
終始内臓が抉られ喉元を圧迫されている感覚のままエンディングを迎えました。
カジノバーで須藤と新谷はすでにお互いの琴線に触れていたのではないだろうか。視線の右端に気づかないけれどもいつもとらえている。気配があるだけで孤独じゃないと感じられる、そんな存在だったんじゃないだろうか。そのまま穏やかな時が過ぎればよかったのに。須藤がどんなに過酷な人生を歩もうと新谷だけは泥中の蓮のようであれたのに。いや、須藤にとってはエンディングを迎えてなおやはり新谷はそのままの存在。たった一つの大切な宝物なのかもしれない。
幼いころから考えて行動することを見てこなかった教えられなかった菊池は、カラカラと音を立てながら転がり落ちてきた人生だったんだろう。他人を気遣うことも自分を気遣うことも知らない空っぽの中身に、新谷だけの優しさが流れ込んで初めて人として満たされ温かい優しい気持ちが芽生えたんでしょうね。満たされて幸せで新谷たちを守れるなら須藤すら厭わないんですから。すごいよ菊池。可愛くてたまんないよ。
そんなふたりに気持ちを置いてきてしまった新谷。結局のところなるようになったエンディングでほっとする半面、私は思い出にはしてほしくない。二人に惹かれたというより二人のなかに確実にカケラを置いてきたでしょ自ら。抗う事はできたはずだもの。優しさであり強さであるけど、卑怯だし弱かったもの。ずるい。魅力的すぎる。
この3人がずぶずぶと沼にはまっていく周りでストーリーが着々と進み、どんどんお話から目が離せなくなります。
なんて魅力的なお話なんだろう。
のばら先生のお話は作中の言葉を借りれば「禍々しい」表現が多々あるけれどもその中心に何ものにも穢されないような芯がありますよね。
それにどうしようもなく惹かれてしまいます。
本当に出会えたことを感謝。

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