メロンの味
」のレビュー

メロンの味

絵津鼓

心にずっともっていたい作品☆

ネタバレ
2021年12月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな絵津鼓先生。表紙の雰囲気といいすごい作品な予感がし、フォロー様のレビューもあまり読みすぎないようにしていました。読み終わってしばらく茫然としてしまい、皆様のレビューを見て涙があふれてきました。すごくよかったとは軽々しく言ってはいけないような気がしてなかなか言葉にできませんでした。

親とも恋人ともうまくいっていない中城くん、親に期待しちゃダメと学んだって辛い。親の愛を諦めたってことのようで。さびしさを抱えていた中城くんにとっても木内さんのぬくもりと優しさは無意識に癒されたんだろうなと思います。
そして木内さん。たびたび描写されるグレーなぼやけた外の世界、それが木内さんの見えてる世界なんだと思うと苦しくなります。

ただそばにいる。身近な人だとなかなか難しい。でもそんな寄り添い方も必要なんですね。このふたりが出会えて本当によかった。
友達でもない恋人でもない関係。名前はなくても心地よい一緒にいたい存在と思える関係がすてきでした。先生の会話のシーンが好きで、間だったり、目だったり、少しずつ近づいていく距離感がすごく好きです。

これで終わりではなく、これから先も道が歪んで見える時があるかもしれない、電車に乗れない時があるのかもしれない、でも書き下ろしでかわらずに一緒にいて、どんな風にでもやっていける、ずっとこうしてたいと思えている木内さんであった事が嬉しく、暖かい気持ちになりました。

木内さんの「どうしようもなく癒された」という言葉が頭から離れません。わたし自信もすごくふたりの関係に癒されました。ほぼ紙は買わないんですが、これは買いたいなぁと思います。ずっと心に持っていたい、そばにおいておきたいと思いました。そんな作品に出会えて、絵津鼓先生に感謝です。

フォロー様で知った、先生のインスタききました。これは特別に思う話ではなく、誰にでも、自分にも起こり得る話なんだと思います。別フォロー様のメロンの味の意味、日々のメロンの香り(下巻の113ページ)との話も聞けてよかったです。ありがとうございます。
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