男色大鑑
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男色大鑑

井原西鶴

今の時代に読んでも面白いってスゴイ

2021年12月30日
ずっと気になっていた作品。
西鶴がどんな世界を書いていたのか。
フィクションだとしても、そこには当時を生きていた人間にしか表せない世界があるだろうと思うと好奇心が湧いて、今年の読み納めにしようと全編購入して読みました。
原作は未読なので、余計に未知な世界にワクワクしました。
表紙のZAKK先生始め、描かれている作者さんも豪華ですし。

武士編の1話目から想定外の展開でやや驚きましたが、
そうか描かれたのが江戸時代なんだと改めて気持ちを切り替えました。
死であったり、置かれる立場が惹かれ合う2人を割いたり、ハッピーエンドとは言えない作品も多々ありますが、読後が悪い作品は見受けられませんでした。
寧ろ若衆達の覚悟と言っても良い位の真っ直ぐさ、汚れなき想いに心が洗われる様で清々しくもありました。
振り返ると、どのお話も純愛だったと思います。

それぞれの巻末に大学教授の解説があり、興味深く読ませて頂きました。
原作は全て井原西鶴であっても、描かれる先生によってやはり作風がそれぞれ出ているので、そういう意味でも面白かったです。

漫画という形ですが、古典作品に触れる機会を得られて、その面白さを知ることが出来て良かったと思います。
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