ベイカーベイカーパラドクス
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ベイカーベイカーパラドクス

暮田マキネ

ある意味幸福な2人だけの世界

ネタバレ
2021年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ うわ~・・・・これは・・深いですね~。読み進めるごとにどんどんお話しにのめり込んでしまう感じで、「逸脱した兄弟愛」でもあり「ミステリ」でもあるような・・・色々と考えさせられる内容になってます。
事故によって逆行性部分健忘症になり精神年齢が退化・・幼くなってしまった兄:秀征(ひでゆき)と、その兄を1人で世話する弟:秀臣(ひでおみ)との・・・溺愛で執着愛で禁キの愛・・・なんですが・・・最初のふわふわな感じからは想像できないくらい、どんどん深くて重いお互いの愛が描かれてゆくのです。いや~・・実に重たい!重たいんだけど、それでも秀征のゆるふわ感がちょっと緩和してくれているかな(^^;
秀臣は事故前の出来事を後悔しているけれど、逆に後遺症が残った事で親と切り離し、2人で生活するようになって、ある意味幸せな2人だけの世界を築けたから、後から考えれば良い方向に向かえたのではないかしら?などと思ったり。
それにしても・・・この作品でヤマの存在はとても重要で大きかった・・・ヤマが居たからこそ2人は救われて、そして願いが成就できたといっても過言ではないでしょうね~♪この2人をヤマはどんな感情で見ていたのかしら・・・「メンドーな兄弟」?(^^;でもそのおかげでヤマ的にも色々と見つめ直す機会があったのかも知れないし、大人にもなれたのかも知れない・・・是非とも玲奈ちゃんと幸せになって欲しい(^^ノンケなのは残念だけど、そうじゃないと秀臣がもっと嫉妬するからね😄
最後のネクタイ・・・読み手への解りやすい匂わせ・・あざっす♪って感じでした(^^きっとお互いにこのままが心地よいのでしょうね・・・。いつまでも「兄弟ルール」に則って幸せに・・・・✨
この作品に、プラス同人誌時代のパイロット版として「十亀兄弟の事情」というお話しも入っていて、4コマ風なのですが、若干兄が粗暴な感じなのが面白い(^^
描き下ろしも、秀征がちょこっと付き合っていた美亜ちゃんの「その後」が描かれており・・・別れても傷ついて無い風な美亜ちゃんが(いや実はアノ時に察したのかもだけど(^^;)ちょっと愛おしかったです♪
初読み作家さんだと思うのですが・・・これは・・「他の作品もきっと好き!!」と思われる作家さんですね・・・(^^
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