その世のどこか、常夜の楽園【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
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その世のどこか、常夜の楽園【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

鯛野ニッケ

人は間違えるけどそれを未来に活かすのです

ネタバレ
2022年1月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『その世のどこか、地図にない国』の舞台となったオライエの隣国ターキアに、シンと侍従のリアがやって来ます。オライエに現れたターキアからの謎の使者の真意を探る為にターキアを訪れた二人は、街で出会った私塾を営むヤシュムのゲストハウスに宿をとることになります。二人を訪ねて来たオライエのノエから、ヤシュムの教え子アマルが謎の使者その人であり、本来の領有権を示した上で、万病に効く妙薬を渡せと取引を持ちかけてきたことを知り、機密に近い資料の出所と、これがヤシュムの病を憂うアマルの独断によるものかの捜索が始まります。生き延びる為に愚鈍であれとの母親の願いから、読み書きを始め知識を得る機会の無かったアマルは、ヤシュムの私塾に通うようになって目覚ましい成長を遂げると同時に、師であるヤシュムを一心に慕うようになったのでした。けれども、無知ゆえにかえってヤシュムの状態を悪くしていたことを知り、アマルは愕然とします。未来を信じて前進する師弟の愛が描かれると共に、事件を事なく収める主人公なのにいつも当て馬ポジションのシンを想うリアの姿も垣間見られ、次巻が楽しみな展開です。
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