このレビューはネタバレを含みます▼
雨月堂〜でハマった作家さんで、少しずつ既刊も漁っているところに、今回タイミング良くセールになっていたので購入。(1/21までセール中ですので、気になる方はこの機会にぜひ!)
本作品は、名前を奪われた鬼のまる×不思議なものが見える作家の実のお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計183ページ。小さい頃から妖怪の類いが見える実の家の前に、手負いの大きな犬が倒れていた。犬のように見えたそれは、実は名前を奪われた鬼で…というお話。こちらの作家さんの作品、雨月堂然り、ちょっと不思議な世界観の作品が多いような気がするんですが、こういうお話よく思い付くな〜。しかもこういった世界観が画風にもぴったりマッチしていて、ネーム担当の先生と作画担当の先生の息がとても合ってるんだと思います。尼僧・巴に真名を封じられ力を失くした鬼のまる。いやいや十分力強いですよね?最初、絡新婦を指先の動きだけで仕留めるまる、すっごい格好良くて一目惚れです!最初は小説のネタ代わりに、ということで始まった関係ですが、交流を続けるうちにしっかり気持ちも追い付いてきます。巴がまるの名前を奪った理由を聞いてもやっぱり腑に落ちないし、勝手なことしておいて「母親代わりになりたかった」とかちょっと自己中すぎないか?とモヤりましたが、まあ実とまるがくっつくためには不可避だったんだろうということで。そこは少し解釈が難しかったですが、絵が好み過ぎて帳消しになりました。