ネガ
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ネガ

はらだ

「あい」に「愛」と「哀」が見える…

ネタバレ
2022年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ ・2つのネガに振り回された(る)子が、これ以上傷つくことがなければいいなと、読み返す度に思う。この三角は、本当にしんどいな。客観的に見れば、謀ったその気持ちは分からなくはない。でも、同じことをされたと気付いたら、「卑怯者」と罵る…(無理だな、せいぜい心の内で…)、自業自得の涙は、冷ややかに見る、と思う。けれど、第三者としては、その虚しさになぜだか涙が出る。そして、私は、彼ほど重く人を好きになったことがないのかもしれない…と気付く。
・ストーリーもさることながら、臼井さんがステキ。首の後ろ辺りがゾワゾワくる。その憔悴したお顔、落としたまま震える肩、拭う涙、口を突く可愛らしい言葉たち。煽りにしかならない。その特別な行為は、最中も事後も無垢な少女そのもの…に見えてくる。ネガも上手く作用すれば、幸福をもたらす。多少の歪みは気にするな、と思う。
・カッコつけたいお年頃、カッコ悪さにビビるお年頃。見栄も張る、嘘もつく、自業自得に潰される。世の中には、こんなやるせない想いがたくさん渦巻いているのだろうな。「キレイ」がしみる。「あいしてる」は間違いなく「愛してる」と響いてくるけれど、「哀してる」が滲んで見える。胸が痛い。
・はらだ先生の描く女の子がとても好き。
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