朝とミーチャ【おまけ付きコミックシーモア限定版】
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朝とミーチャ【おまけ付きコミックシーモア限定版】

ビリー・バリバリー

二人で大人になってゆけばきっと変われる

ネタバレ
2022年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『ばら色の研究と花喰らふきみ』収録の『朝とミーチャ』の前日譚。前作にも描かれていたミーチャと朝彦が屋上で出逢うシーンから始まります。ミーチャと出逢う前、朝彦は事故で亡くした両親に代わって面倒をみてくれている叔父と暮らしていたのですが、朝彦は恋する叔父の心が、未だに亡き母親にあることを知って家を飛び出したのでした。朝彦はミカという男に拾われて自暴自棄に暮らす中、飛び降りようとして訪れた学校の屋上で、独りぼっちのミーチャと出逢います。陽射しの中、金色の髪を光らせて眠るミーチャは天使のようで、愛されることを求めて絶望していた朝彦は、ついに愛する対象を見出したのでした。無条件に愛してくれる家族を持たない二人は、その不安定さを支え合うかのように一目で惹かれ合い愛し合うようになります。言葉にできない苦しさ、愛しさ、もどかしさを埋め尽くさんと抱き合う二人の姿は痛々しく、時に幼く、その歪さに胸が痛くなります。朝彦を捉えていたミカもまた、ミーチャや朝彦と共通する逃げ場の無さを背負っており、常に側にいるエリとの関係が同時に進行してゆきます。友達、先生を含めた学校が良きです。先生が猫を撫でながら授業をし、ミーチャが朝彦を膝抱っこしてカーディガンの中で寝かしつけながら補習を受ける姿の可愛らしさは必見です。
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