このレビューはネタバレを含みます▼
確かに...確かに木原作品の中では優しいですが、先生...あなたの「優しい」感覚が麻痺してるような...と思うくらいには普通に苦しいです。
とにかくどん底まで落としてからじゃないと救ってくれない先生なのです笑。
この作品は犬飼の愛と忍耐力に尽きます。
運命の番でずっと想っていた相手がなかなか手に入らない、無理矢理自分のものにした後も受け入れてくれない...犬飼ターンは本当に辛い。
どんな河内も受け止め言葉を尽くして「愛してる」と囁き続ける犬飼の、「愛してほしい」という切なくも強い想いにギャン泣き必至です。
そして自分の状況を受け入れる覚悟のための時間が与えられない河内。
αに捨てられた母親を見て育ち、助けた見ず知らずの女性にかわいそうと言われる中、高校生の時に目の当たりにしたあの光景は強烈で恐怖だったと思います。
男Ωという自分があとほんの少しで「男」としての幸せを手に入れられるという時に起きた「事故」からの妊娠、出産、異常な発情期は、河内をあそこまでの拒否人間にするには十分だったのでは。
だって子供をたちをちゃんと愛してます。
怒涛の苦しみのあとは、これでもかってくらいのご褒美があります、ホッ。
「お前が俺の番で、本当によかった。」で全て昇華されます。
3人目は本当に望まれて産まれてくる、きっと女の子!
(2020年3月/211p)