NIGHTS BEFORE NIGHT
」のレビュー

NIGHTS BEFORE NIGHT

ナツメカズキ

これは、狂おしいまでの恋愛狂奏曲。

ネタバレ
2022年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ M.O.D.Sを読んで 放心状態で、このスピンオフも読んでしまう事にしました。シロのいた事務所の所長の春とシロの大恩人で亡くなった時雨とのお話を交えながら、春と義母兄弟になる雪鷹とのお話でした。春と時雨(秋から初冬に降る雨)と雪鷹(雪は冬に降る)とアキが 主な登場人物です。四季にちなんだ名前ですね。そこに ちょっとだけ シロが登場します。元気そうですよ、彼。文房具屋さんでバイトしてるみたいです、微笑。春は ほんとに 時雨を愛していたんだと思います。シロを時雨に預けたから 春は 彼が死んだと思ってますが、シロも 時雨に出会ったことで 心を苦しめられるけれど、時雨は それだけ 二人にとって 人徳な人だったんだと思います。現に、時雨は シロを 東京から 連れ出そうとしましたしね。愛するってことは 時には 辛辣な状況をもたらすことになるんだなぁって思いました。愛する人を亡くして 残された人たちの生き様、心の状態が M.O.D.Sとこの作品で 春とシロを通して 描かれてあったんだと思いました。そして、雪鷹。自分の印象では デッカイ図体の寂しん坊な暴れん坊です、笑。愛されたくって仕方がなくって、暴れていたのだと思います。実は ブラコンだったんだと思います。春と出会う事で、愛される側から愛する側になって ようやく 守る側になります。M.O.D.Sでは 虎が シロを守り、この作品では 鷹が 春を守ります。

ところで、タイトルのNIGHTって なんだろうって考えてみたのですが、NIGHTは たぶん 雪鷹のことだと思います。そして、NIGHTSは 春と時雨のことじゃないかな、と。雪鷹が現れる以前の春と時雨、みたいなことなのかな、と。ちょっと 奇妙な三角関係とでもいえるのだろうけれど、 暗闇を抱えた三人なので NIGHT 個々は この三人もさしていると思います。

それにしても 時雨がいなかったら、シロは信虎と合えていなかったし、春も雪鷹と会えていなかった。時雨は ちゃんと 残していった二人(シロと春)が寂しくないように、と虎と鷹を彼等に近づけたんだと思います。あぁ、ほんとに 素敵な作品でした。
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