ヘブンリーホームシック
」のレビュー

ヘブンリーホームシック

京山あつき

温もりは人にはとても大事なものです。

ネタバレ
2022年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ あああ。
ホームシックになったことがある方は胸が痛くなるんではないかな。
一生懸命な時期のあとにふっと圧倒的な暗闇にも似た孤独感。年甲斐もなくわんわん泣けてくるほど心にたまった不安や不満や寂しさ。
そんな心情が辛すぎて冒頭はきつかったですね。
そんな二人が異国の地でまさかの偶然の再会!ゲイでも特別仲が良いわけでもない二人が急速接近は乾いたタオルに水がしみこむがごとくですね。
僥倖と言わずして何と言いましょうか。

日本にいる時と状況が全く違うので二人は自分の感情に確信も持てないし混乱の中にいるんです。そりゃそうです。そんなの確信ないに決まってる。
そもそも同性だしってところから。
しかし、太田のセリフが良いんです。恋って色々な垣根もすっ飛ばすし黒かったものが桃色に見えるようなもんなんですから、惹かれている時点で恋なんです。
でも、初めから2人はお互いを思いやって優しかった。
寄り添っていました。
十分じゃないですか。

エンディングはとてもとても幸せなラストでした。
全てを肯定して寄り添って支え合って前に進んでゆくような。

京山先生の作品はさらさらとした雰囲気で切なさを表現されていてとても優しい。
今回もすごく好きでした。
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