いつか優しい雨になる
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いつか優しい雨になる

白石さよ/ポリー/芦原モカ

優しい雨で終われて良かった【完結】かな

ネタバレ
2022年2月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルで惹かれて試し読みしました。
父親同士が同級生で幼馴染みの3人。

長男の宏樹と政略結婚ながらも、お互いは好き合って結婚すると思っていた結衣に、招待状も発送したあとに突然起こった宏樹の失踪に次いで婚約解消。会社のことを考え結衣の夫は、次男の和樹へと変わることになった...

ドアマットヒロインという言葉があります。
様々な困難が目の前に立ちはだかれ、ドアマットのように踏みにじられる毎日を送る不幸なヒロイン...

結衣は決して不幸ではないと思います。
夫となった和樹は、婚約期間中は宏樹にはしてもらえなかったウェディングドレスのフィッティングにも付き合い、結婚してからも仕事を続けられるように部署異動を申し出てくれたり...

でも結婚式の当日【ハズレ婚】と呟いた彼の吐露を聞く花嫁は、ドアマットヒロインよりも、まだ残酷なヒロインじゃないだろうかと思ってしまいます。

ドアマットヒロインには夫や夫の家族から虐げられる彼女の側には必ず助けてくれる優しい男性が現れますが、この結衣には優しい夫は存在します。
でも現実は仮初めの夫婦を演じなければならない。

そして少し距離が近づいたかな?と思った矢先に起こる様々な事柄に結衣はある決心をするというのが2巻の終盤です。

それにしても1巻から登場するあの女性がどうもきな臭いんです。心配するフリして不安材料をさらりと言ったり...
多分読まれたら、あ!この人!とすぐに分かると思いますが...

彼女が3巻でも不安しか言いません。
それに元婚約者の人もアクションがありました。ドキドキの3巻です。

タイトルの【いつか優しい雨になる】とは、今の結衣の心は、しとしとと降り続く雨の陰雨(いんう)ようだと解釈し、いつか草木を潤す恵みの雨のような優しい慈雨(じう)が彼女の心にも満たしてくれるように願ってます

と願ったように、4巻では全てが丸く収まりました。
これはひとえに和樹のおかげですが言葉足りない和樹のせいで結衣は悲しい思いをしますが、結衣の悲しさを払拭した和樹の行動は男らしさを感じました。

結婚式では悲しみの雨が降り、思いが通じた夜の雨は慈雨ですね☂

完結とは出てませんが、【あとがき】で原作者の先生から感謝のメッセージが添えられてます。
だから完結とは思いますが、ラブラブの蜜月がafterstoryで描いて下さると嬉しいです
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