幼馴染じゃ我慢できない【コミックス版】
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幼馴染じゃ我慢できない【コミックス版】

百瀬あん

大丈夫、きっと2人の歩く道は明るいよ

2022年2月15日
1巻もキレイな絵の幼馴染もので良かったけれど、2巻は描かれる世界が家族や友人にまで広がり2人の関係に対する周囲の受け止めが描かれ、グッと作品としての深みが出てて、良かった。気付いたら涙が浮かんでたほど。
BL作品で家族、とりわけ母親の描かれ方って作品によって様々で、障害の象徴になったりしていると読んでて同性として胸が苦しくなることもあってモヤモヤしてた。今回、攻めの諒太のお母さん明紀子さん、小さな頃から知っているアオを、諒太が巻き込んだのではないかという葛藤を抱えながら、覚悟を決めて2人に語りかける姿に「王道BL作品に見る家族観の変容」ってテーマで論文書けるんじゃないかな?と思うほど、母親の描かれ方の進化を感じてしまいました。アオの妹ちゃんも自然体で2人を見つめていて、女性陣があったかくって良かった!
諒太もお母さんと同じことを感じていたのをアオが吹き飛ばす姿に、この2人が自分達の関係を後ろめたく感じる社会にしたくないなあ、身近にLBGTの方の存在を感じることはないけど、小さな頃からの成長が描かれたこの作品を読んで、こんないい子達が普通に生きていける社会になって欲しい、そんなことまで考えてしまってました。知り合いの若いお母さんは、自分の息子が将来、実は心が女の子だったとなる可能性も考えて名前を選んだそう。そんな考え方が広がる社会になるかもしれないな。
そんな作品世界の広がりもありつつ、2人のラブ方面の成長振りも甚だしくて、「お母さんも見てない姿まで見ててごめんなさい!私今壁になっているから許して!」とさっきまで感情移入していたお母さんに赦しを乞いながら2人の濃厚なシーンを堪能したのでした…。
それにしても、今ピアスのあけっこって流行っているのかしら。リアルにお揃いのピアスつけてる男の子がいたら、妄想してもいいですか?
それから、攻めが爪の手入れを丁寧にしている姿、何のためにしているのかを考えると中々セクシーなのですね!書き下ろし含めて新たな発見に胸がトキメキました。
社会人編もあるとか。2人がどう周囲に影響を与えていくのか。きっと2人の歩く道は明るいと信じています。先生、思う存分描ききってください!ついてきます!
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