Jの総て
」のレビュー

Jの総て

中村明日美子

『Jの総て』✨✨✨

2022年2月18日
さあ、『Jの総て』です。
多分この神作にレビューを付ける事ができる日は来ないだろうと思っていました。
それくらい大好きな作品です。
しかしフォロー様のレビューに感動したのと、あと他の理由もあって出てきました。
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マリリン・モンローに憧れるトランスセクシャルの少年「J」が、絶望しながら愛に生き、愛することで絶望を繰り返す。
とてもひと言では言い表せない素晴らしく魅力的な人です。
本当にそこにちゃん居て、歌ったり泣いたり喚いたり誘ったりしているかのような確たる存在感が有ります。
なのに「J」自身は寄るべなく、不確かな世界で足を付けるべき地を必死に健気に求めているんです。
第3巻終盤の「J」の生の本音の発露は、何度読んでも「J」と一緒に泣けて泣けて仕方がありません。
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読むこちら側としての感情が、作品によって翻弄されるまま、なすがままにされるのが最高に気持ちが良い。
まさに俎上の鯉状態です。
たった3巻しかないのに、「J」と共に十数年を駆け抜けた感覚になります。
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今作にはスピンオフとして「ばら色の頬のころ」があります。
また、中村明日美子コレクションの各巻末に描き下ろしがあります。
「Jの総て」なのに、娘の結婚までの十数年、ポールと暮らすようになってからは“まだ”描かれていません。
ですが!!!
昨年秋、15年ぶりにアナザーストーリーとして帰って来ました!!(パチパチパチパチ✨)
今月末に第2話が読める予定です。(シーモアさんでは読めませんが汗)
満面の笑みと共に強くなって帰ってきた36歳の「オカマ」ちゃんに会えた幸せ。
明日美子先生の中にはまだまだ「J」の語られていない人生が詰まっているそうで、全部読むまでは死ねないな〜と思って元気出して生きています。
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最後に(修正の話はしたくない流れですが)修正が全くない生tnkでした。
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書き忘れあった(汗)
中村明日美子コレクション8に「ばら色の頬のころ」の番外編、「彼の左目」が収録されています。
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