ちはやふる
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ちはやふる

末次由紀

40巻!結実。太一の昇華

ネタバレ
2022年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 47巻読了。まもなく千秋楽を迎えるその前に、40巻が素晴らしかった!!!!!ということで以下レビュー熱くなってしまいました(汗)。。。 カルタが縁で始まった3人の幼馴染。新も千早も、名人・クイーン挑戦者に来るまで尋常ならぬ努力をしてやっと立てた舞台。だが彼らはカルタが大好きで突き進んできた道。しかし太一は違う。千早たちと遊びたかった、仲間になりたかった、好きな子の近くに居たかったからカルタをしてきた。でも彼らが幼少期に夢見た舞台は、高すぎて生半可ではそばにはいられない。本気で向き合えば向き合うほど、見えてくる "カルタが好きなわけじゃない自分" 。努力でそばに居続ける限界と苦しさ。
師匠は言います「青春全部かけてから言いなさい」 。
(いやぁ〜師匠! 中々かけられないっすよ。先を考えると怖いですよ。と読者の私は思った) 挫けても打ちのめされても真摯に向き合い続けた太一。
その3人の夢が40巻で結実する。(感涙)。
太一にとって親友でもあり、カルタでは大きすぎる存在だった新が、童心と変わらぬ純粋さで涙をボロボロこぼしながら太一にかけた言葉が素晴らしい。
それを受ける太一もまた・・・。(泣)。
新に対するわだかまりや、複雑だった思いが、無邪気だった子供の頃のように、昇華されたように見えました。● (追記)太一派というわけではないです。むしろ新好き。凡人な自分としては、努力の人な太一に共感なのでした。
●●この作品が素晴らしいのは、大人も負けず劣らず青春真っ只中なところ。いい意味で諦めが悪い。(笑)。故障を抱えた体、体力もスピードも耳の聞こえも若者には劣る。それでも勝てるのは培ってきた経験からの大局観や精神力。年だからと安易に情熱に蓋をせず、今できる関わり方は何か?。体や家庭、現実と折り合いを模索し、本気で楽しみながら挑み続ける。 そんな大人たちのみせる背中は格好いい。金言多く、説得力がある。子供たちは憧れ、学び、尊敬し、(読者の私も)素直にこうべを垂れてしまうのでした。。。オススメです。
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