僕らのミクロな終末
」のレビュー

僕らのミクロな終末

丸木戸マキ

今こそ読んでほしい。

ネタバレ
2022年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買い。最近の世界情勢もあってかなりシリアスに終末を意識してしまうこの数日。新刊登録で買ってたのに読み始めるのが怖かった。だけどいったん読み始めたら止まらなくてどうなるか展開全くよめなくて先が気になって、夜中に一気読みしてしまった。うわ、むっちゃくちゃ面白かった。星10で神作品行き決定。読む前に心配してたようにリアルから影響受けて気分落ちること全くなかったです。シリアスだけど重く描かれてないので、読みやすいですよ。

あと10日で隕石が落ちてきて世界が終わってしまう時、何して過ごす? 考えたこと誰でも一度はあるよね、それが本当になってしまった。貧乏くじばっかり引いて夢も希望もなくとりあえず生きてたくらいのリーマンくんは、混乱する世界の中で残りの日を大学の図書館へ行って本を読むことにした。そしたら絶対に金輪際会いたくなかった悪魔みたいな奴に会ってしまった。。
ストーリーの組み立てが最高に良くて伏線も張ってあって、そうだったのかーって最後に納得。たった2冊上下巻だけなのに、下半身ゆる男との過去恋愛話あり、サバイバルロードムービーあり、終末へのカウントダウンと共に練られたエピソードがたくさん詰め込まれていて、最後の1ページまで見逃せない、お腹いっぱい読後大満足ですよ。キャラの魅力よりストーリーを楽しみたい方向けですね(正直なとこ攻めの奴いっぱつ殴りたい)。セカイ系から始まりほんとうに救われたのは極小単位のミクロな恋愛だったというラスト、作者さん上手すぎます。スピンオフは、私はなくてもいいかな。雄弁なラスト1コマほんと最高。
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