光が死んだ夏
」のレビュー

光が死んだ夏

モクモクれん

外見は本物。中は限りなく本物に近い偽物。

ネタバレ
2022年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本当の本当にこれがデビュー?
おったまげました。
BLいや2022年漫画の新人、麒麟児現れましたね。
表紙からもうオーラが。

山陰地方の田舎で暮らす普通の少年(ヨシキ)と親友(光)に擬態したナニカのお話です。
1週間行方不明の末、無事帰ってきた光の違いに誰も気付かないのに、ヨシキだけが気付く。
その些細な違いが拷問とサーモンと肛門のイントネーションとか、好きだなぁ。

ナニカは光の記憶を持ち、外見も全て模倣している。「光はもう居ない。それなら偽物でも…」
中学生1人で背負うのは重い。
限りなく本物に近いけれど、本物ではない。2人の歪みが大きくなる。
その様が虫の効果音だったり、モノクロだったり、魚眼レンズの構図で更なる恐怖を煽る。
2人だけの世界から、閉鎖された田舎での世界観に拡がる。
ひたすら不穏漂う展開。
純愛にもホラーにも、どうとでも転がれるラスト。

ノウヌキ様とは?何故光やお父さんは山に行ったのか?お婆さんの死は?

ジャンルは違うが「寄生獣」に近いかな?と思いましたがミギーは自己が有り産まれた役目も解っていた。何より敵と味方が確り分別されていた。

それとはまた違う。
これは未だあやふやなんです。目的は?本当に味方なの?単独なのか?最後のナニカの感情は?怖い怖い。
伏線がクモの巣状張られ一緒に取り囲まれる。
圧倒的画力と構成力とテンポでグイグイ引き込まれました。
いやぁ、素晴らしかったです。

ヤングエース、pixivで1話と数話読めますので読んでから判断されても良いと思いますが、読んだら止まらない事請け合い(笑)

こちら1巻で6話まで全て掲載です。ヤングエースで地団駄踏んだ方は是非。7話から2巻に進みます。

BLの定義は個人差が有るので、これを確実なBLです!とお伝えするのは語弊が有ると思いますが、個人的には、BOYS達が恋愛未満友情以上の感情を持つようならBLだと思います。
敢えて言うなら白黒ではない薄いグレーほんのりBLです。
この先キスもするようなしないような。
先生もチルチルにインタビュー受けてらっしゃるのでBLも少し考えているのかな…と勝手に思いました。
ヤングエース自体がBL特化で無く様々な方が読んでいるので御伝えしたいのですが、もしBLを毛嫌いされて読まないのは非常に勿体ないな、と。
逆に純BLではないから読まないのも勿体ない。
あ、でも少しグロ有りますので無理はなさらず。
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