薬屋のひとりごと
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薬屋のひとりごと

日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ

主人公の性格が微妙

ネタバレ
2022年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 達観していて好奇心旺盛でひねくれ者。
見目表情ともに嫌な顔をしている。
事件に巻き込まれ自らも突っ込みに行き、それ程難しくもない謎をやれやれ系で終わらせる。

残念ながら見ていて気持ちのいい感情が生まれない。
特別頭が良いと思わせる描写もなく、解決しても別にスカっとしないし、態度と口の悪さに若干イラっとくるしで、何故こんなに人気なんだろうと不思議に思う。
感性の違いは理解してるので馬鹿にする意図はない。

というか人攫いで後宮に下女として売られるって、よっぽど腐敗した体制じゃないと有り得ないんじゃないだろうか。
お給料は保証されるし後宮に仕えるって一種のステータスのような気がしていたんだが、侍女じゃなくただの下働きの下女だからそんなものなのか。
知らんけども。

例えば無理矢理遊郭に売られ解決屋と薬屋としての手腕を発揮して春を売らず上級妓女にまでのし上がるとかの方が面白かったかも。

ともかく自分が少しでも気に入らないと思えば人を舐め腐ったような思考言動をしてしまう、そうでいて逆らったらマズイ相手には形だけの礼儀を見せる事なかれ主義、が主人公のキャラとしては好きになれない。

内容も設定も悪くないけどそこまで惹かれるものでもなかった。
鉛やカカオのくだりは現実の歴史で元々広く知られていて、創作界隈でもそこそこ使われている。
なので薬学に精通してる設定の割に、初心者向けの展開でお茶を濁された感がストーリーに嵌れなかった一因だろう。
古代中国がモデルだとして史実をなぞる訳でもないなら工夫は欲しい。


コミカライズが2作?出ているようでこちらは絵柄が可愛めで、1話の魅せ方に関してはこちらの方が上手く思えたので試し読みしましたが、お話に集中したい場合はもう1つの方が良いようです。
どちらにしろ私は購入するには至りませんが。
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