ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版
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ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版

一穂ミチ/竹美家らら

身体を繋げること、心を繋げること

2022年3月8日
一穂先生の作品を色々読んでみています。
この作品、BLラノベというより文学作品のように感じました。そして、すごく大人向けの内容。
自分が10代だったら内容も登場人物の悩みもきっと理解できなかった。いい年をした大人にこそ刺さるものがあるお話だと思います。

主人公の一人、一顕が悩んでいる恋人・かおりとのレス。この悩みの一顕とかおりとの温度差、認識の違いがリアルです。
かおり酷いなと思う一方、こういう人も一定数いるんですよね。
一顕に感情移入してしまって可哀想で…整がいてくれて良かった。逆も然りですが。
悪いことをしているわけじゃないのに、自分の存在を肯定できなくなっていた一顕に整がかけた言葉。どんなに救われたことかと思います。心に沁みました。

しかしお話を通してずっと何考えているのかよく分からなかったのが和章。
拗らせすぎていて全く感情移入ができず。生殺し状態なのに整の側を離れない感じにイライラしました。
もうちょっと何考えてたのか理解したいので、スピンオフ読んでみようと思います。

身体を繋げることと心を繋げることについて考えさせられる作品です。
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