九十九
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九十九

琥狗ハヤテ

道具と人とが織りなすファンタジー

ネタバレ
2022年3月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 九十九年を経て付喪神となった道具たちのお話が5編と、小さな村のシャーマンである青年のお話が収められています。付喪神のお話は、虎の敷物、お箸、茶釜、枕とだんだん時代が下がり、最後の『しかくのはこ』は近未来が舞台で、道具はモバイルデバイス(スマホ)になります。厳密には99年を経た付喪神ではないのですが、Siriに人格を見出せる現代ならではの身近なファンタジーになっています。『それでもいいの』は、シャーマンであるが故に、人の顔が全てその守護動物に見えてしまう青年ナジャの恋と悩みが描かれます。まだ幼い頃にナジャを引き取って育ててくれた兄のようなヒドラの顔もピューマにしか見えなくなり、本来の顔も思い出せなくなったナジャは、そのことをヒドラに告げることも出来ずに悩みます。さらにシャーマンとしての目に映るヒドラの逞しくきれいな心を知り、ナジャはヒドラへの恋心に逡巡するのでした。獣人マンガを読み慣れていると大した問題ではないように思ってしまい、ピュアなナジャには申し訳無かったりしましたw 恒例のおまけの4コマで可愛い付喪神達に癒されて下さい。
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