夜啼鶯は愛を紡ぐ
」のレビュー

夜啼鶯は愛を紡ぐ

小中大豆/yoco

歌姫が次に歌うのは愛の歌

ネタバレ
2022年3月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ オペラ歌手を目指す大学生の凛(19)と貴族で美貌実業家エリアス(36)の十年愛。
先生もおっしゃっていますがシリアスで刹那苦しい作品ですね、受け視点のみというのもあるかもしれない。

愛してしまった人が愛を知らない人。
最初に聞かされた「私は不誠実だ」のとおり、エリアスにはパートナーもいるし、恋人もわんさか入れ替わります。
それでも自分だけは違うという矜持だけで、必死についていく凛。

凛はとっても情熱的。
オペラ歌手を志すまでも、エリアスを愛するのも、一途でひたむきに努力し続けます。
あんなに大好きな「歌うこと」も今じゃ何のためなのか...見出され、最高の舞台を用意してもらい、成功を収めても尚、今度はエリアスに捨てられないかと怯える凛が痛ましい...。
名声に陰りが出始め、唯一の「声」を失うかも知れないとなったときの凛の追い詰められる様子に涙腺崩壊です。
終わったと感じてからの行動が素早く、ここからがいわゆる攻めザマァ展開ですね。

凛を失ってからのエリアスが意外と(いろんな意味で笑)ヘタレ様なので、報われたなーとニッコリ。
いやしかし、羨ましいを超えて無になるほどの財力...。
ヘリポートもある湖畔の別荘で、これからは愛の歌を歌いながら、愛を知ったエリアスに愛されまくってねー!

イーサンやミヒャエルのご活躍に感謝です。
そして...デビッド、もしかしたら凛以上に苦しんだかもしれなかった彼が、今は新パートナーと幸せであることを願わずにいられません。
(2018年1月/219p)
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!