蟷螂の檻
」のレビュー

蟷螂の檻

彩景でりこ

燃え萌えて完全燃焼ですよ。(私が…)

ネタバレ
2022年4月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★當間家次男・育郎と使用人・典彦……蟷螂とハリガネムシの話。(4/8まで無料、セールですよ)

★當間家当主の葬儀の日、奥の間に匿われていた育郎の兄・蘭蔵が牢を抜け出し育郎の前に姿を現した。當間家代々の愛憎と官能の檻が開く…。

★本当に素晴らしい痛みを刻んでくださいました。何度、心が焼かれると思ったことか…。典彦が妬き切れたこその顛末が…、その「檻」を選んだ育郎が…、ただただ美しかったです。人の醜さと美しさは対極にありますが、それは紙一重だな、と思いました。襖1枚隔てたアチラとコチラ、牢の柵、皮膚の奥側、廃診療所の内と外…倫理や道徳心がないからこそ追求できる「美」と「官能」に目眩がします。そこに絡むさち子の正義と飯田の人の良さ、蘭蔵と健一の未来。その「真っ当さ」がより育郎と典彦を隔てますね…。onBLUEの26話も良いですが、私的には単行本の26話からエピローグの流れが、吐き出すことのできない澱を残してくれたと思いました。典彦の渇きは、そのまま読者にも残る気がして…捕らえられてしまったな、と思います。読み返すたびにその澱が浮き上がり、また沈殿する感覚です。1巻(始まり)への呼応としても素晴らしい終幕でした。

★1〜5巻で本編完結。大変読み応えがありますが、万人に受け入れられる作品ではありませんね。ですが、こちらの作品には「中の人」がいますので、そのことを知るといくらか心穏やかに読めるかと…笑。6巻…萌え尽きました。あーかわいいかわいいかわいい…。私的殿堂入り作品です。

★私は、本編1〜4巻→『演技の裏側、お見せします。』(この中の人々に救われました笑。4/8までセールですよ)→本編(1〜4巻読み返して)5巻→『艶屋敷』→『わたしの坊っちゃんがかわいすぎる』→6巻『小冊子』→onBLUE52(読むかどうかかなり悩みました)の順で読みましたが、良い流れでした。でりこ先生、8年間大変お疲れさまでした。完結おめでとうございます。心に焼印のように残る作品を描き上げてくださり、ありがとうございます。中の人の続編、スピンオフ等々も楽しみにしております。フォロー様方はじめ、作品を愛する皆様のレビューを拝読し、感動しました。
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