人間観察をして他人を知るということ





2022年4月5日
作者さんの新刊で良さを再認識して以降少しずつ既刊を漁っていて、フォロー様方がおすすめされていたこちらの作品をポチり。本作品は、大学の人間観察同好会に所属するゲイの後輩・塩見×同好会会長の寿先輩のお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計201ページ。空回りばかりで人間観察の洞察力もコミュ力もない寿先輩に唯一絡んでくるイケメン後輩の塩見から、突然告白された挙げ句キスまでされて…。この寿先輩が実に不思議なキャラで、人を引き寄せるようなビジュアルでもないし、変に真面目でコミュ障、かつ斜め上の思考の持ち主なのに何故か魅力的なんですよね。そもそもの同好会の名目でもある「洞察力とコミュニケーション力を養う」というところの本質かと思うんですが、相手を知ろうと努力する姿勢が魅力的だったのかな。同好会の名目はあくまで建前で、要は飲みサーだったという位置づけではあるんですが、その「人間観察」というキーワードが上手く活かされていてとても面白かったです。同好会の他の会員もすごい良い味出していて、それぞれのやりとりがとてもテンポ良かったです。というか、塩見のビジュアルが最初からすごい刺さってたんですが、バーで髪を纏めて登場したところで見事心臓を撃ち抜かれました。あと、解す時間がすごい具体的で、ほぉ〜そんなに時間掛かるんだ〜ととても勉強になりました。

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