触れたとこからキモチいい【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
小木カンヌ
このレビューはネタバレを含みます▼
他人のオーラが見える沖谷は、その能力で上手く空気を読める一方、口先だけの嘘や隠している本音もわかってしまうので、かなりストレスも溜まります。そんな沖谷の唯一の癒しは、自分に真っ直ぐな好意を向けてくれる後輩の古賀の存在でした。二人で気持ち良く飲み過ぎた夜、沖谷は泥酔した古賀を送り届けたついでにキスしてしまいます。面倒が嫌で社内恋愛はしないと決めていた沖谷でしたが、古賀から溢れる自分への想いに浸る気持ち良さから付き合うことを決めるのでした。自分の相手への想いは二の次で、相手からの大好きオーラが心地良いから付き合うという沖谷の気持ちは、ちゃんと古賀に見透かされていて、付き合い始めても古賀からHを拒否され、まずはデートから始まります。空気を読まない古賀の朴訥とした一途さが、能力のせいでちょっと上からで屈折している沖谷を素直にしてゆきます。好きな相手の考えがわからなくとも、自分の気持ちをちゃんと言葉にして伝えた時、オーラなんて見えなくてもそれは全部とってもキモチいいのでした。
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