サイケデリック・ベイビー
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サイケデリック・ベイビー

湯煎温子

最低限のものは

ネタバレ
2022年4月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 天才画家といわれる蓮と彼に雑誌の表紙を描いてもらっている出版社の蕪木。蓮が無垢で幼児のようなところがあって、まさしく天才な感じ。それが蕪木によって変わってきて、感情を覚えたばかりのアンドロイドみたいだなと思いました^^;。
個人的な事情から、蓮を密かに崇拝していた蕪木は、だんだん蓮が愛おしくてたまらなくなってくる。でも新しい感情を覚えた蓮は作風が変わり、それを良しとしない外野が批判的な声を上げるようになってきます。
外部の批判に蓮は戸惑うのだけど、大切なものを手に入れて、必要な最低限のものは絵を描く道具とお前!と潔く蕪木に言うとこに、私もギュン!と来ました。
あとがきで作者さんが、ハピエンだけどどこか死の香りが漂う…と書いておられましたが、いや全然。めちゃくちゃハピエンだし、生の香り漂うお話だったと思います。
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