踊る阿呆と腐れ外道 【電子限定特典付き】
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踊る阿呆と腐れ外道 【電子限定特典付き】

あかねソラ

楽しみ方が色々できるお得な作品?かも?

ネタバレ
2022年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上巻は耽美っぽいギャグをシリアスに描いたのかなぁ?と思うほどチグハグな読み口。
表現もセリフもいちいち寒い。痒い。
旦那さまに縛られ虐められた後のシーンと、モブ医者にクスリ盛られたシーンが無ければ読み飛ばしていたかも。
正直上巻だけだと星3つ、モブ医者のくだりがメッチャ良かったのでプラス星ひとつで4つかな?と思ってた。
阿呆役の芳野はキレイゴト言ってるだけのインポテンツだし、外道役の伊月は浅慮なビッ チなだけだし。
旦那さまの囲われ者と使用人が何イキってんの?ってのが終始頭にあって。
どこに萌えてどこに感動すりゃあいいのか、かなり迷子にさせられてた。
………
しかし、下巻で化けましたね。
作品タイトル変えた方がいいんじゃないか?ってくらい別作品。
痒くなる耽美まがいは鳴りを潜め、環の人となりをちゃんと描いて、やっと心情に共鳴できる。
作者さまに何が起こったのか!?と思うほどの変容っぷりだ。
そのうえ上巻のチグハグをちゃんと回収している。
伊月がちゃっかり後を継いで外道の面目躍如だし。(でも彼の器量でしっかり事業を運営できるのかは謎)
てか、腐れ外道を謳ってんならあそこは銃口を環に向けたまま発砲でしょうが!
タイトルに期待して買った読者舐めんな!って思ったね。
その方が、環が病室で言った「伊月は何も悪くないからね」が100倍生きるのに〜!悔しい344
………
7話以降は普通に感動的で切なくて美しいBLになっている。
やっと絵の上手さが活かされた〜って嬉しくなる。
線の細さ、さりげない描き込み、光と影の使い方等々、環と結城の物語にピタリと相応う。
何年も(多分四半世紀くらい)溜め込んでた思い入れエッチは、エロ味こそ薄いが、幸せ満点である。
幼な子を抱えた奥方を裏切って、ってのが背徳感のはずなのだが、あんまり感じない。(だって奥方の方が後から来た邪魔者ってスタンスで読んじゃったから)
お腹いたいのに出したくないの描き下ろしも良かった〜。
なんだかんだで楽しめたので満点星5つです。
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