囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

子供時代の虐 待被害からの再生、を期待

ネタバレ
2022年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2025.1.12。9巻読了。元々少ないセリフで心のうちを想像させるという作品、でももう矢代と百目鬼の無表情がそのまま何もない空白に見えて、紙人形のよう。作者さん息切れ?引っ張り過ぎたのか希薄化してきたように思えます。
2022.4.15。矢代のセッ.クス依存症の原因となった幼少期の描写は物語上必要としても、10代の矢代がオヤジや複数のヤクザにまわされたり雑魚の刑事などとの描写が痛すぎて、キツイ、読んだのを後悔しました。もし、このあと回想で三角にまでヤられてる描写が出てきたら、見たくない、あればページ飛ばします。またヤられているときの矢代の弱々しい描写から、面子が何より大事なヤクザの世界で適当な男と組の事務所でやってしまうような若頭が果たして手下に慕われるのか、この設定が疑問でしかなかった。しかし、これほど胸糞で苦しいのに、百目鬼が可愛すぎて、百目鬼に矢代が救われることだけを祈って読んでしまっています。矢代と百目鬼の最大の障壁である作品中では「溺愛」とされる三角の矢代への執着。若い矢代にありもしない借金を背負わせたり、影山を交換条件にしたりしてヤクザの世界に引きずり込み、矢代が中年を迎えてさえさらに束縛し続け、その独占欲と嫉妬で矢代が自由になるのを必死に邪魔します。諸悪の根源の養父や三角のような老害から、矢代が解放され、百目鬼に下の名前で呼ばれるような穏やかな風景が見たい。子供時代に大人や家族から傷つけられた者へのカタルシスのために、養父と三角には天罰が下ればさらにヨシ。もし、バッドエンドだったら忘れます、辛すぎます。三角を潰すために百目鬼が道心会と抗争という荒業か、影山が末期癌の終末医療とかいうのをみて矢代が?伏線か?と、悪い予感ばかり浮かびます。この作品に出会わなければよかったと思いながらも心は捕らわれてしまっています。
元々、年長者が子供や若年者を嬲りものにする話や描写には嫌悪感があり、この作品でもその支配や束縛や理不尽が、どれほど自分を不快にさせるか、再確認させられました。
いいねしたユーザ12人
レビューをシェアしよう!