先生のせんせい
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先生のせんせい

noji

小学生あるあるが懐かしくて楽しい

ネタバレ
2022年4月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLアワードの表紙部門にノミネートされてた作者さんの別作品がとても面白かったので、こちらの作品も購入してみました。新米先生の大路先生α×スクールカウンセラーの保美先生βのお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計228ページ。大路先生が高校生の時に告白して振られた保美先生と、勤務先の小学校で偶然再会して…というお話です。オメガバースではありますが、そもそもα×βなのでヒートに当てられた濃厚エチもないし、オメガバにありがちな悲壮感などもありません。小学生たちと過ごす賑やかな日常の中で、自分のバース性を見つめながらゆっくりお互いの距離が縮まっていく穏やかなストーリーで、読んだ後のほっこり感がすごい。保美先生の自宅を訪れた大路先生が「そこら中から温かい気配がして居心地がいい」と保美先生の自宅を描写するんですが、先生の自宅だけでなく物語全体からも温かい気配が漂っていて、とても優しいオメガバース作品でした。そしてそこかしこに散らばる小学生あるあるが懐かしくて楽しい。歩道の柵を木の枝でカンカン鳴らしながら歩いたり、終業式の日は荷物が多かったり。ここぞという時にとっておく金の折り紙に、大きなカブ。何十年も前の話ですけど、ほんとに懐かしいなぁ〜。ちなみに本編ではキスどまり、描き下ろしで朝チュン未満のほのめかしあり。でもそのほのめかしも微笑ましい。たまにはこんな穏やかなオメガバースも良いですね。
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