あいまいなウルフ【電子限定描き下ろし付き】
」のレビュー

あいまいなウルフ【電子限定描き下ろし付き】

末広マチ

一匹狼×狼憑き+時々けだま(←猫)

ネタバレ
2022年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『ヤキモチはきつね色』のスピンオフ。前作に登場したゆくりの友人•狼憑きの隼人のお話です。隼人は夜中のゲームに熱中し過ぎて、隣に越してきた院生の銀木に注意されてしまいます。カッコいいけど硬派な銀木にビビったのか、それから隼人はずっと静かにしていましたが、ある夜、銀木の愛猫がベランダから隼人の部屋に入り込んでしまいます。呼び鈴に応えが無く、ドアの開いていた部屋で猫を確保した銀木は、そこで耳と尻尾を生やした姿で苦しんでいる隼人を見つけるのでした。翌朝、目覚めた隼人は自分が銀木と一緒に寝ていることにびっくりします。狼憑きの隼人は満月の夜には動物的本能が強くなり、自分で制御することが出来ず、その間の記憶も曖昧になってしまうのでした。『ヤキモチはきつね色』の狐憑きの秋葉のように明らかに別人格の獣が憑くのでは無く、隼人が元から持つオオカミ的資質が、月の満ち欠けによって強く出るという、その辺りがタイトルに繋がるのかと思います。最初はお互いに苦手で、それぞれ他人に知られたくない秘密を持つ二人が、思い込みや誤解を超えて想いを寄せ合ってゆく王道ラブストーリーです。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!