名作。でも、苦手な作品です。





2022年5月11日
同じ作者様の他の作品は大好きです。本当です。「犬も食わない」とか、でりこ先生の執着愛の強いの大好きなんですよ。でも「蟷螂の檻」を購入する事は長く躊躇しておりました。評価も高く有名な作品なので腐女子として避けては通れない気がしていたのですが。意を決して今回読んで見ました。ストーリーの重厚さや世界観やキャラ設定の独自性とかどれをとっても非の打ち所がない素晴らしい作品です。エロだってこんなにも背徳的な行為なのか?って打ちのめされるくらいに強烈です。でも私にはやっぱり重すぎでした。しかし私がメリーバッドエンドが苦手という身勝手さだけで、この素晴らしい作品の評価を下げてしまうような事は忍び無いので☆5つをつけさせていただきました。本当によく描かれた心を揺さぶる素晴らしい作品だと思います。典彦の本当の母親と蘭蔵の本当の父親は誰か?という問題…典彦と育郎の最期までの生活…同様に蘭蔵と健一は…など疑問がいっぱいあって、再読しなければならないのでしょうが、しばらくはそんな気にはなら無いと思います。それくらい重い。エンディング最終コマの育郎の表情が、物語序盤の蘭蔵の笑顔を思い起こさせるのにもゾゾッとしました。6巻は物語の舞台裏裏話としてコミカルに登場人物を演じた俳優たちの日常を紹介しています。本編があまりにも重苦しいので、ちょっとだけ6巻を見て救われたような気がします。刺さる人には深く刺さる、BL界の名作なのだと思います。

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