さよなら、ナナシのバイオリン
」のレビュー

さよなら、ナナシのバイオリン

うめーち

唯一無二のBLに出会ってしまった…!

ネタバレ
2022年5月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●すごい世界観でした。無機物に名前を付けると生物となり命を宿す。中でも珍しい“人型”のバイオリン。その設定だけでも特殊なのに、そのバイオリン×奏者というカップリング!バイオリンが攻!!なんてことだ…!
●あらすじには「ちゅっちゅいちゃいちゃが必要?!」とコメディのように書かれてますが、(実際コメディみたいなシーンもありますが、)「必要だからやった」というよりは、心はGaに惹かれてるのに必要性を言い訳にした感じでした。奏介がGaのこと「おばかで健気でかわいい」って思いながら抱かれる方を選ぶの男前!
●大事にしてる物をお持ちのかたには、奏介とGaの心のやり取りは沁みるんじゃないかなぁ…。本作は特に楽器なので、それがダイレクトに音で表れる。「じきにナナシに戻る」ことを望んでいた奏介が、音を出すたび、触れ合うたびにGaと溶け合う感覚を覚える。なのに今度はGaが「自分はナナシに戻った方が奏介さんのためだ」と言い出して…。楽器ならではのBLだ…
●Gaが忘れてしまった名前のことが奏介の過去の悲しみとも繋がっていて、二人が出会ったのも惹かれ合ったのも必然!って思えます。ストーリー構成もすばらしい。
●描き下ろしは、奏介の友人長谷川とピアノのコスモのお話。感情が動きにくいコスモはGaとタイプが全然違うけど、こちらのCPも素敵。(バイオリンが攻でピアノは受ってなんか分かる…。)物語にマッチした緻密な絵柄もとても良かったです。たくさんの方に読んでみていただきたいです!
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