このレビューはネタバレを含みます▼
5巻完結。一気読みできる幸せを享受ありがとうございます。
75歳の市野井さんと17歳のうららさん。
夫を亡くし、一人暮らしで書道教室を開いているおばあさんとちょっとコミュ障気味な腐女子高校生2人がblマンガを通じて親しくなっていく。
作中で2人が大好きな漫画も挟み込まれ、2人のクライマックスで作中漫画も完結します。その作品のbl作家さんが要所要所で2人とすれ違ったり触れ合う瞬間があるのがまた良いんです。
漫画を読む側描く側、コミケの机の向こうとこちら側。どちらの立場にも丁寧に寄り添って、漫画の中にリアリティがある。
うららの思ったことをすんなり言えない性格の表現の仕方、市野井さんの年齢をそのうららの視線で捉えてみせる描き方。すごく好きです。
4巻あたりからもう泣いてました。
じんわりと胸にくるものがあって、暖かい。
「今日は完璧な日だった」と思える1日のように、私にとってもこの作品は「完璧な作品」かもしれません。
老いてもまだ若くても。終わりが見えていてもまだスタートすら見えていなくても。生きていくことを怖れない自分でありたいと思わせてくれる良き作品です。