ライアテア
」のレビュー

ライアテア

岡田屋鉄蔵

すごい!!

ネタバレ
2022年5月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙がステキ過ぎる!タヒチ期のゴーギャンっぽい!
なんて深く美しい色なんだろうとしばし、てかかなり長く鑑賞。そしてやっぱりタヒチのお話!
表紙に見合った、心をガッチリと掴まれるお話でした。
出会わせて下さったフォロー様に感謝です!
………
これほど男同士が羨ましいと思った作品はありません。
男女じゃこの感動はなかなか出せないのではないでしょうか。
自身の寄る辺となるモノを捨てたとして生きる男、マニ。
自身の拠り所を手に入れるために前に進む男、ゾム。
それが故郷なのか信仰なのかアイデンティティなのか。
ゾムの別れた奥さんの気持ちがすごくよく解ってしまうだけに、男の中の『絶対』が憎らしくも憧れてしまいます。
それは男の『根源』なので、愛とか恋とかのレベルでは比較してはいけないのでしょう。
(そこはゴーギャンだけに、モームの月と六ペンスを彷彿させます。)
そしてそれを求める行いが、長く苦しんだマニを救うことになる。
太古の神の引き合わせだと言いたくもなるラストシーンは、熱く・強固で・絶対的な力強さを伴った美しさでした。
ああ本当に羨ましい。
惚れた、と言うひとことに収束しているのも、その中に「多くてたったひとつ」があると思うとかなり粋でした。
………
初読で感じた事を勢いで書いてしまったので乱雑なレビューですが、書かずにはいられなかった衝動と感動をもらいました。
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