続 IN THE APARTMENT
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続 IN THE APARTMENT

絵津鼓

辛かった………………………

2022年5月31日
もう、許して…ほんと勘弁してください(泣、泣)…っていうくらい、読んでいて辛い作品でした。
どんなバッドエンドよりもどんな痛いSMよりも、心臓が痛くなって頭がグワングワンして気持ちがどんより重くなりました。(因みに当方、かなり闇耐性があると自負しております。)
思うに、他人の気持ちの本当の奥の奥の深いところには入っちゃダメなんです。
当たり前ですが、自分と完全に一致する他人なんていないわけです。
なのにこんなに共鳴し過ぎちゃったら、自分の元の形を維持しようとするチカラと押し合いになって、崩壊寸前まで追い込まれてしまいました。
それほど絵津鼓先生の共感力・共鳴力を発動させる技量が凄過ぎなんです!
すぐにでもモアザンワーズを読みに行くべきだと解っています。
でも自分が本来の自分の形に戻ってからじゃないと読んで無事でいる自信がありません。
いつの間にか静かにヒタヒタと侵食されてしまう描写が、ほとんどセリフ(会話)だけで為されているのがほんと怖かったです。
絵津鼓先生は独自のスタイルを完成形で持った素晴らしい作家さまです。
そして侵食させてしまう事に於いてはピカイチだと思います。
本当に唯一無二の作家さまです。

………(辛いのになぜ満点評価なのか?と言うと、感動というのはプラス感情にだけ振れるものではなく、マイナス感情にも振れるものです。今作品は、マイナスに振り切ってしまう所とプラスにも振れる所が混在しています。感動の針をぐるぐる回されてしまう、もの凄い作品なわけです。)
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