雷神とリーマン
」のレビュー

雷神とリーマン

RENA

5.0☆

2022年6月4日
セリフの言葉が沁みる。読み終えた時、複雑な切なさと悲しみと感動で涙がいっぱいになりました。BLかなと思ったら女性マンガで、男同士のパートナーではあるけれど、友達、家族、恋人のような...ブロマンス以上BL未満ですね。性的な関係はないのでBL苦手な人でも読めると思います。
絵が青年マンガタッチでガッツリ男っぽいキャラの顔があまり好みではなく、読みだすまでに時間かかったのですが、読んでみたら絵も好きになったし、面白いだけではなくちゃんと伝えたいことが伝わるような心温まるお話でした。
強烈なキャラクターの神さま雷遊の繰り広げるドタバタコメディーに笑ってしまうかと思えば、ゲイ大村の切なく雷遊を思いやる恋心に涙が溢れるし、ドライな性格の神様が人間になってみたいと強い気持ちになったことに感動したし、普段の二人の様子ではほっこりしたり、二人がどこかに出掛ければ同じような感覚を味わえたり...感情のすべてが詰まっている作品。正直言うと、そこまで絵が上手いとは言えないのですが、描く力がすごい。
雷遊が大村から得たものはとても人間らしい感情から来る気持ちであり、大村が雷遊から得たものは偽りのない自分らしさ。二人の生活が、ゆっくりと雷遊を人間らしくしていく所が胸熱です。最後は老いながらも人間らしく正直に美しく生きた様に何とも言えない気持ちに...涙。評価は5.0☆
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