このレビューはネタバレを含みます▼
土の中に埋められていたところを助けられたヤクザの田中始は命を狙われていると言われて原田に匿われます。恋人だったと無理やり抱かれ、虚と実がない交ぜになってラストに繋がって、描き下ろしの「その後」ではそうきたかという、「その後」の「その後」が読みたくなるお話でした。でもこれ以上の終わりかたは始が譲歩しすぎになるのだと思います。始が記憶をなくしていなかったら原田はどうしていたのか?というのが疑問なのですが、とにかく始と自分の関係をひっくり返したかったのかなと。全て奪って全て与えて。すごくリスキーなことをこの金勘定に明るい男はしようとしていたのだと思いました。ヤクザだったら絶対復讐しないといけないところで始は何を考えたのか?「その後」の先のことを含めて、勝手に萌え萌えさせてもらいました。皆まで描いていただきたい気持ちはしますが、そのあたりは読者に任せてくださったのではないかなと。お見事でした。
2012年6月 総202ページ 修正=見えない構図