優男とサディスティック【SS付き電子限定版】
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優男とサディスティック【SS付き電子限定版】

秀良子

許さないままの愛もあると思う

ネタバレ
2022年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ リアルでもよく見聞きするフレーズ、「やった方はすぐ忘れるけど、やられた方はずっと覚えてる」。
BLではその法則が当てはまらず、「え?なんで?」と思う間もなく、やられた方がやった方をあっさり好きになってハッピーエンド…というのもよくある設定ですが、秀良子先生は一線を画している気がします。奥行きが感じられ、本当に面白いです。

「優男」と「サディスティック」はどちらかがどちらか1人にかかるのではなくて、どちらも両者にかかっていて、場面場面でそのバランスが変わっているのが、ゾクゾクするやらドキドキするやら…もう、感情が忙しい。まさにシーソーゲーム。

見るからに「優男」な高瀬が、過去のことを許せないからこそ表出させた「サディスティック」的行為。別に彼は吉野を痛めつけて喜んでいるわけじゃない。それでも、熱を帯びた手のひらから世界の色が変わる…。うわぁ~、めちゃくちゃ好きだ~、秀良子ワールド。
理由なく加虐できる吉野が、好きな人には「優男」ぶりを発動し、「犬」になり、懇願する姿は、見ようによってはMだけど、精神的Sっ気が隠し切れない。表紙の妙!
エピローグの188ページ(電子のページとズレますが、数字表記アリ)の2人の描写も…SM、受け攻めを超えたものがある気がして、ちょっと震える。秀良子先生、すごいよ~。好きすぎる~。

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