薔薇王の葬列
」のレビュー

薔薇王の葬列

菅野文

圧巻に尽きる(でも17巻は見れない)

ネタバレ
2022年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今まで何度か見かけたことはあったけど、ダークな雰囲気と作品名で読まなかった。17巻が出てキャンペーンで宣伝してたそのたった一つの挿絵が美しくて思わず読み始めた。恐れ、葛藤、愛欲、脆さ、強かさ、切なさ、儚さ、幾つもの感情の嵐で安息など許さないというような、リチャードの激情がありありと伝わってくる。作画もリチャードの男女の面が絶妙なバランスで描かれて魅了された。
私はランカスターのエドワードとアンが大好きだった。敵ながらも時にリチャードを助け強さに惚れたエドワード。リチャードと幼少を共に過ごし思いを馳せていったアン。同じ人を想う二人が一緒になり同志のように短い間だが寄り添うところも素敵だった。二人に報われてほしいとずっと思って読んでいた、、、、、ううぅ切ない(泣)
そして幼少のリチャードがとても可愛い。故に現在のリチャードとの対比をまざまざと感じさせられる。エドワード5世と弟リチャードはあんなに憎らしかったのに死ぬ直前の会話の表情がとても可愛くて、儚くて残酷だった。
アンの息子のエドワードは私の唯一の光だった、癒し。
お父様方王妃様方もう全員の感想を書きたいくらい周りの人達の意思がわかりやすくスッと入ってくる。
今はアンの喪に服すから17巻は読めないけど本当に素晴らしい作品に出会えた。
シェイクスピアも実際の歴史も調べてしまった(笑)
最後に、リッチモンドは主人公と敵対しているから悪の立場だけど物語で見ると正義な気がするし(私も毒されたのかもしれない笑)何より表情がずっと笑ってて狂気じみてイイ!16巻の表紙最高!
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