普段本は読まないし、原作も歴史上の人物も全く分かりません。難しい話も苦手です。なので一巻目では話についていけず、グロいシーンやリチャードに対する母親の精神攻撃が見ていられなくて流し読みしてしまいました。これは少女漫画なのか……?と思いつつ、
リチャードがこれからどうなっていくのか、物語をどう展開させる気なのか気になり、一種の賭けのような気持ちで二巻目以降も購入しました。すると、不思議なことに気付いたら配信されている四巻までいっきに読んでしまっていました。いつのまにか夢中で読まされていたんです。現実を忘れて、この作品の世界観に引っ張りこまれていました。子供の頃ならともかく、こんなに作品に入り込めるような気持ちがまだ自分に残っていたのかと驚きました。こんな感覚はすごく久しぶりです。
両性具ありだなんて設定、どう感情移入していいか分からないと最初は思っていましたが、すぐにそんなことどうでもよくなってました。リチャードという魅力的な人間の生き方にすごく興味がわいていたから。何を考え、どうするのだろう。男でも女でもない、でも、男でも女でもある。そんな美しいリチャードが進んでいく道を、最後まで見届けたい。見させてほしい。
絵もものすごく美しいです。まるで絵画かのごとき感動を与えてくれる美しい絵を見ていると、作品の世界観・シナリオも相まって、まるで芸術作品を見ているような気分になります。漫画なのに。
最初は少女漫画?と思いましたが、人々の感情の揺れ動きがちゃんと少女漫画好きとしては楽しめました。成長や月日の流れと共にそれぞれ恋慕の情を募らせていくキャラクター達に目が離せません。
リチャードは、誰を愛せるのか。誰に、全てを受け入れ愛してもらうことができるのか…。
どのような結末を迎えるのか、気になって仕方ありません。リチャードに苦しいことが待ち受けていようとも、最後まで追いかけます。
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