テンカウント
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テンカウント

宝井理人

よかったと思います

ネタバレ
2022年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心療内科勤務のカウンセラー 黒瀬陸×潔癖症の社長秘書 城谷忠臣
社長が事故に遭ったときに黒瀬が助けたことで知りあった城谷は黒瀬に潔癖症を指摘され、「友人としてプライベートで」助言を受けることになります。抵抗がある行為を抵抗が弱い順に1から10まで記入していき、一定の期間を置きながら1から順に実践していく曝露反応妨害法という治療法を黒瀬は提案し、城谷は試行します。この作品は難しそうで敬遠していましたが、よくできた作品だと思いました。潔癖症の治療としてはエロありきなのでアレでして(アレて)、結果的に城谷の病状は黒瀬への依存によって軽減された感があります。そもそも城谷は自分の症状を世間一般に知られている病名に当てはめたところがあるので、不潔なものを恐怖するということも元々少し曖昧です。潔癖症の原因も様々でしょうし。私も身内に手を洗い過ぎる者がいて手がボロボロになっていくのを見るのが耐えられなくなって蛇口をチェーンで巻いていたときがあったので(←これってよくなかったですかね...今はちょっと手洗い多いかなくらいになってます)いろいろ考えてましたけど、なんらかの不安や強迫観念の表れなんだろうとしかわかりませんでした。こういう人がいると周りもストレスなので城谷の社長や同僚は聖人だと思います。社長がバイキン扱いになっていてよく平気だなと。社長が倒れても触れられないとか。回ってきた書類なんかどうしてたのかな?黒瀬が時々城谷を突き放して、SMっぽい要素があって先が気になる展開でした。過去のできごとから潔癖症の人を救いたいという気持ちと、そこは少しズレています。コントロールをしたかったのではなく戸惑いや嫉妬からの行動だったのかな。2020年にアニメ化される予定だったみたいですが、延期されていますね。ラストがなかなかクールな終わりかたなのでこの場面に被せてエンディング曲が流れるのを想像して鳥肌立ちそうって思いました。精神疾患やSMを全面に出すと、違うと思われて反発が起きるかも。過去に心的ストレスを受けた2人がその傷を癒していくプロセスで愛しあっていくBLかな。ほとんど一目惚れみたいな気もしますがどうでしょうか。あと、エロは2巻から、最後は最終巻までありません~。
2014年4月~2018年4月 デジタル版描きおろしおまけ 2巻漫画「黒瀬くんと城谷さんとごはん」1p 4巻5巻カラーイラスト各1p 修正は白抜き、白モヤ、真っ白。
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