似てない僕らのままで続く【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
あまさわ蟹
このレビューはネタバレを含みます▼
9年ぶりの中学の同窓会で、地味で目立たない吉村と明るく友達の多い安達とが再会します。中学時代もほとんど接点の無かった二人ですが、その後終電を逃した吉村が、駅で安達と偶然会ったことから安達の家に泊まらせてもらうことになり、さらに恋人が出て行ってしまったという安達と同居することになります。デザイナーの吉村と美容師の吉村の同居は快適この上無いのですが、ある夜遅くに帰宅した吉村は、安達が男性とキスしているところを見てしまい、顔を合わせ辛くなってしまいます。仕方無く会社に連泊して体調を崩してしまった吉村を、安達はさり気なく細やかに看病します。そして、吉村が安達を避けていたのは、安達がゲイだからではなく、誰とも付き合ったことのない吉村には初めて実際に見たキスシーンが堪らなく恥ずかしかったからだとわかるのでした。表面的には真逆っぽい二人ですが、相手を決して否定しない育ちの良さみたいな大切な部分が共通しているので読んでいてほんわかします。エロまでいかない、恋になる瞬間までが描かれます。
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