このレビューはネタバレを含みます▼
ずっと狙っていたSHOOWA先生の『パパ'sアサシン。』を漸く読む事ができてそのおもしろさに引き込まれ、同時期に奥嶋ひろまさ先生の『ババンババンバンバンパイア』もたまたま無料で読み、おもしろい上に画力の高さに感嘆していた所、お二人のコラボ作品であるこちらを見つけました。原案とネームはSHOOWA先生、作画は奥嶋先生です。「読むべし!」という自分の勘に従ってよかったです。『番外編が欲しい!』と思っています。少年漫画な絵柄だけど、かなりキュンとします。そして、しっかりとしたストーリーもあります。赤松とセブンの距離の縮まり方や支え合い、キャラの生き生きとした表情や背景の描き込み具合や動きのあるシーンを含めた作画の安定感(絵は多少拙くともあまり気にしない質ですが、やっぱり絵のストレス無い方が断然入り込めます)、家族関係(セブンサイドは、赤松家とは違った重さがあってより辛いですが。赤松家の母が好きです笑)、ギャグとシリアスとキュンのバランス、構成、どれをとってもイイです。特に、2巻後半から3巻前半にかけては切なくて胸が苦しく、勝手に涙が。そして、BL的おもしろさとは別に、この作品に出会えてよかったと思えた一つに、味方になってくれていた箱さんの、解決後のセリフがあります。セブンの義兄に関して、『いい子にしてなきゃ周りに見捨てられるんじゃねーかとか不安で言うこと聞こうとするクセがつく』『許容範囲を超えると時々爆ハツする』『お前(セブン)みたいにどこかでイヤだって言えるよーになりゃなんとかな』『そんな中でちゃんと見てくれた大人がいりゃそりゃなつくんだよ。どんな奴だろーと』『(セブンのように)愛されたって自信があるのは強えんだよ』。真理をついていると思いました。セリフだけでなく、過去の親との触れ合いをセブンが実際に思い出す場面も渦中の時にちゃんと挟まれていた事もあり、説得力を感じました。特に、嫌なことは嫌だと言えるか、愛されていた感覚(特に幼児期に大人からもらう愛情の感覚)があるか、自分の職業柄もありますが、とても考えさせられました。3巻は、若干(ほんと少し)の動物絡みのファンタジーが入っててちょっとビックリしましたけど、2人が楽しそうで、その後の「イチャします」の言い方もかわいいので、わたしは大丈夫でした。寧ろ、動物さん達good job。犯罪と虫が出てきますので地雷な方もいると思いますが、一読する価値はありです。