このレビューはネタバレを含みます▼
ネコ男子とトカゲ男子。獣人の少年たちの青春物語。
異種族を通して個々の生態を生かしつつ、現代社会の人種差別やイジメなどの問題も表現されているように感じました。
描写によって変化する纏う空気もとても良かったです。
転入生のアオイくん。
トカゲの姿でも、端正な佇まいで育ちの良さも滲み出て不思議と私には美少年に見えます。
シッポを触る行為の美しい描写。
僕も獣と同じがよかったと言うアオイの孤独で悲痛な想い。
人も皆同じな訳でなく、友情に於いても互いの関係を育める柔らかい心を持ち続けたいなと思いました。
タイトルの「モノトーン・ブルー」と言うのが、目に映るものだけでなく彼等の心情にも反映されているようで、ほろ苦い酸っぱさを感じます。
トカゲとネコと言う設定で、ここまで深く表現されるのは本当に凄いですね。。
※以前のレビューで目に止まり、掘り出し物のような良本との出会いに感謝です。ありがとうございます。